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スペシャルムービー・ダイジェスト版
この動画は元ヤングケアラーのことこさんのお話を元に、ご本人にご出演いただいて作成しました。
あらすじ
ことこさんは高校2年の時、祖母と同居をはじめる。その祖母は認知症の症状が出始めていた。ことこさんは共働きの両親に代わって祖母の相手をすることに。イヤだと思う気持ちと、家族だから当たり前という気持ちの間で揺れ動くも、誰にも相談することなく過ごす日々。友人や先生と話す機会を得て、自分がヤングケアラーだったと気付いたのは大学に進学してからでした…。
ストーリー
■オープニング
- ナレーション
- ことこさん。都内の大学に通う普通の女子大生。笑顔がステキな彼女でも、こんな風に笑えない時期がありました。
■1 ゆがむ日常
- ことこさん
- 「高校2年生の時に祖父の治療の関係で、福岡から祖父母が東京に来ました。」
- ナレーション
- しかし翌年入 ってすぐ、 不慮の事故によってお爺さんが亡くなりました。そして残されたお婆さんは....
- ことこさん
- 「だんだん耳が聞こえないだけじゃなくて、それに伴う幻覚・幻聴が発現(現れて)、よりコミュニケーションが取りづらくなったなっていう感じでした。」
- ナレーション
- お婆さんの幻聴・幻覚の対象になってしまった、お父さんとことこさん。それには理由がありました。
- ことこさん
- 「伯母さん?父のお姉さんに私が似ていて、昔のトラブルとかそういう祖母の背景があって、伯母に過干渉みたいなところがあったみたいで、私をその伯母さんと勘違いしている可能性もあるよねっていう風なことを言っていました。
多分、祖母は嫌がらせをしようとしていたわけじゃなくて、ただただやってあげようみたいな。
母としてやってあげようみたいな感覚だったんじゃないですかね。」 - ナレーション
- 彼女は、自分を責めていました。
■2 禍
- ことこさん
- 「学校に行って帰ってきて、でも(コロナ禍のため)バイトもその時期は休業でなかったので、家と学校の往復みたいな。それ以外は祖母の対応したりとかして、同じことを毎日してる感じ。
学校行けなくなった時が一番しんどかったかなって、自分的に。
玄関まで来て靴履いたけど、やっぱ無理だなって思って戻って寝たりとか。
本当に大学辞めるかな、みたいな。これがずっと続くんだったら無理だなって思って。」 - ナレーション
- 彼女の心と身体は、悲鳴をあげていました。
■インタビュー 「ヤングケアラー」について知っていますか?
- ナレーション
- ヤングケアラーについて、街で聞いてみました。
- インタビュー①:AB/ 知らないです。
- インタビュー②:ヤングケアラーって 初めて聞きますね。
- インタビュー③: A/はい、聞いたことあります。B/高校の社会とかの勉強で聞いたことがあります。
- 「ヤングケアラー」について知っていますか? 「聞いたことがない」80%
※インタビュー人数:10人
■3 きっかけ
- ことこさん
- 「学校に通い始めてからは、それこそ友人と話すようになって、だんだん先生にもお話聞いてもらえるようになってっていう。」
- ごとう先生
- 「やっぱり大人が気づくっていうことが一番、本当はできればいいなって思うんですけれども。
知らないこととかわからないことが一番こわいと思うんですよね。『そっか、こういうときにここに相談しに行ったらいいんだ』っていう場所を知っておくとか『こういうときは、言葉にして言ってもいいんだ』っていうことを、小さいうちから知っていていただくと相談もしやすくなるのかなとも思いますし。」 - 学生相談室 とみざわカウンセラー
- 「“ヤングケアラー”っていう言葉も最近出てきていますけど、なかなか相談するの大変だっただろうなと、その過去について。」
- 友人Fさん
- 「やっぱ大人に頼れずに自分がケアラーになっているから、本当に頼るっていうことがそもそも頭の中にないっていう人もいるんじゃないかなとは思いますね。」
- 友人Kさん
- 「自分でいろいろやっているから、やっぱり頼りにくいところがあるのかな。」
- ことこさん
- 「ひとりでいたいのに、ひとりでいたくない。」
■4 未来にのぞむ
- ことこさん
- 「今は介護福祉士の資格と社会福祉士の資格取得を目指して勉強しています。介護やってみたら面白くて、ずっと選択してます。」
- ナレーション
- 自身のことを話す彼女の表情は、少し明るく見えました。
- ことこさん
- 「いろんな実習先を見て思ったのは、職員さんが明るいところは利用者さんも明るいなっていう、全体的に雰囲気が温かい。」
- ナレーション
- 「今」を生きることに必死だった彼女は、これから大学を卒業した先の「未来」に歩み出しています。
- ことこさん
- 「今はヤングケアラーの本人のお家に伺う、訪問のアルバイトを最近始めさせていただきました。先輩ケアラーっていうのもあると思いますし、お姉ちゃんが欲しいヤングケアラーの方とかそういう方に、ちょっと年上のお姉さんとして接していくっていう。
意外と受け入れてもらえているなっていう感触で「次は何したい!」って言ってくれるのが嬉しいなって思います。」