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令和6年度 座談会



社会に向けたメッセージ



田中(たなか)

ここからは、ヤングケアラーの方々に向けたメッセージや、ヤングケアラーについて広く一般の方や周りの方に伝えたいメッセージをお聞きします。



ののか

「(少しでも)悩んだら誰かに助けを求めること」
ヤングケアラーさんに向けてのメッセージです。私は今、仲の良い友達や大学の先生、大学の相談室のスクールカウンセラーの先生に話を聞いてもらっています。


メッセージ「少しでも悩んだら誰かに助けを求めること」


ひか

「可哀想…と思わないで欲しい!」
広く周りに知ってもらいたいことです。ヤングケアラーは、家族が大好きで家族のことを思ってケアやお世話をしているので、支援する方にもまわりの方にも「あの子、可哀想」と思ってもらいたくありません。そのことだけは知ってほしいと思います。


メッセージ「可哀想…と思わないでほしい!」


しゅんた

「困ったら保健室へ」
以前、ヤングケアラーの定義が18歳までと聞いた時に思いました。その年齢の基準が最近上がったことを知らなかったので保健室と書いてしまいましたが、本当に困ったら保健室だと思います。そういう状況の生徒や学生がいるということを学校や支援を担う人に知っておいてもらえるだけでも、とても効果があると思っています。


メッセージ「困ったら保健室へ」


あおい

「ヤングケアラーは十人十色」
今回、皆さんとお話していても思いましたが、本当にみなさんそれぞれ状況が違ったり、感情が違ったり、対処法が違ったりしていますよね。私たちが抱えている問題は、一つの方法で解決するものではなく、それぞれ全く別のプロセスがあるので、隠れケアラーのような存在も増えているんじゃないかと思います。
「自分の状況が、テレビで描かれているヤングケアラーの姿と比べた時、それほど悪くないし、まだ耐えられているから、自分はヤングケアラーではないのではないか」という葛藤を抱えている友人と話す機会もありました。ヤングケアラーという言葉から生まれてしまった暗い部分も正直あると思うので、それぞれの事情が受け入れられる環境づくりが求められているのではないかと思います


メッセージ「ヤングケアラーは十人十色」


一輝(かずき)

「理解のある社会で少しでも居心地良く」
僕は若者支援の団体で支援を受けているのですが、そういう子たちを「かわいそう」という目で見ないで、ケアや支援が終わったときに彼らがスムーズに日常に復帰して行けるような環境があればいいなと思います。


メッセージ「理解のある社会で少しでも居心地よく」


田中(たなか)

ハリーさん、皆さんのメッセージを聞いていかがですか?



ハリー杉山(すぎやま)

もううなずくだけです。「可哀想と思わないでほしい」にすごく共感できます。
ヤングケアラーという言葉の意味や解釈が、この先変わっていくかもしれませんね。今、メディアを通してヤングケアラーという言葉を使うと「うわぁ、大変だね」とか「子供の時からそんなことしなければならないんだ」と言われることが多いです。しかし、「可哀想」の一言では片づけられない現実があります。そのことを社会が理解し、受け入れたとき、ヤングケアラーへの考え方や、そのイメージが一気に変わっていくと思います。皆さんの言葉を聞いて、強くそう思いました。


座談会の様子


田中(たなか)

2021年の春頃、国の施策としてヤングケアラーという言葉が打ち出されましたが、ハリーさんが言うように「ヤングケアラーを助けなければ」「社会で支えなくては」というイメージが広がりました。
私はケアを担っている人はみんな「ケアラー」で良いと思っていて、ケアのバリエーションやグラデーションがあり、親や家族の状況も変化する中で自分の役割なども見定めながら、ケアをしたりしなかったり、離れてもいいと思えたり、誰かに託せたりと、その人の思うように、やりたいようにケアに関われるようになれればいいのではと考えます。